大判例

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名古屋高等裁判所 昭和27年(う)1229号 判決

被告人の右論旨は要するに被告人は原判示車券が変造であるとの事情を知らず且金員を詐取する意思でなかつたと云ふに在り又弁護人の論旨の要旨は原判示車券(論旨に馬券とあるは誤記と認める)は有価証券でないから変造有価証券行使罪を構成しないと云うに在りいづれも原判決には判決に影響を及ぼす事実誤認の違法があると云ふに帰するが記録を調査し原判決挙示の各証拠の内容を仔細に検討すると是等証拠を綜合して後に原判示事実を肯認するに足る弁護人は原判示連勝式車券は有価証券でないと論ずるけれども所謂有価証券とはその証券に表示せられた権利の行使並その移転にその証券の占有を必要とする証券を指称するものであることは多く論ずる迄もないところである。而して之を本件の競輪用、連勝式車券について見ると領置にかゝる証第一号乃至第三号の形態並その記載内容に照し、その証券に表示せられた権利の行使につきその証券の占有を要するものと解すべきである。即ち車券は自転車競技法の規定により車券に番号を以て表示された自転車競技の選手が入賞した場合その車券購入者がその車券と引換に所定の配当金を受領するものであつて右配当金を請求するにつきその車券を所持することが必要であることが明白であるから原判示連勝式車券は正に刑法第百六十二条所定の有価証券に該当するものと謂わなければならない、従つて原判決には各所論の如き事実誤認の違法はないからこの各論旨はいづれもその理由がない。

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